転職における35歳限界説は打ち破られたのか?

人生100年時代、70歳まで働く時代がやってきた。

 

企業が従業員の募集・採用を行う場合、年齢により制限を設ける事は原則禁止されています。しかし転職サイトでは若年層の長期キャリア形成を図るためと言った注釈をつけて、実質的な制限を設けてある場合がほとんどです。

また転職志望者のなかでも『35 歳限界説』は根強く存在し、30 歳位になると自分のキャリアや将来を考えて、転職活動に踏み切る方が多いのも事実です。

 

ある大手人材紹介会社の調査によると、10年前と比較して平均転職年齢が3歳上昇。2007年では29歳であったのが、現在は32歳になっているそうです。また、年齢別の内訳をみても、35歳〜39歳の割合は5ポイント上がり、40歳以上については約13 ポイントの伸びを見せており、ミドル層の転職が増加しているのが顕著です。

 

プレーヤーとしての募集は若い方が良いが…

確かに35 歳という年齢は、転職市場において一つの区切りとなる年齢ではあります。企業がプレーヤーとしての募集をするときは、たいがいは20 代から30歳代前半までの方を想定しているケースが多いです。同じ仕事を任せるならば、若い人を採用した方が長く活躍してもらえるという訳です。

 

しかし35歳が転職の限界かというと必ずしもそうでは有りません。その理由は3つあります。

 

 

 

まず1つ目は、35 歳をすぎるとプレーヤーとしての求人は減りますが、マネージャーやプロジェクトリーダー等の管理職の求人が増えてきます。そのような役割をこなせる知識やスキルがあれば30代後半はもちろん、40 代になっても転職のチャンスは多いに有ります。

ただし45 歳を過ぎると、経験値に対する要求はかなり高くなり、即戦力として認められなければ現実は厳しいものと思われます。

 

もう一つの理由は人材獲得競争の激化により、若年層の獲得が難しくなっており、年齢によるフィルタリングが緩和傾向に有るからです。その結果35 歳を過ぎていてもプレーヤーとして雇用する企業が多くなってきています。景気が良くて人材が足りないので採用する年齢の上限をあげているのです。

 

最後の理由は、これが一番重要なのですが、技術の発展や業界の垣根が混沌としているなかで、これまでの常識や能力だけでは通用しなくなっており、中途採用にも多様性が求められてきたからです。

 

ただし、このように35歳限界説が崩れ、35 歳を超えても転職出来るんだと手放しに喜ぶ事は出来ません。いくら売り手市場だといっても、自分の価値を高める努力をしていない人は転職活動において苦労します。また、世代によってアピールするポイントも変わってきますので、そのポイントがずれている方もチャンスを逃してしまいます。

 

人生100年時代が到来して、70歳、80 歳まで定年が延びる可能性だってないともいえません。その時に慌てないように企業も個人も備える必要があるのかもしれませんね。

 

人材紹介会社 株式会社ライフライン

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